面光源は減衰しない?

物撮り時の光源の話です。

「点光源から発せられた光の強さは距離の2乗に反比例する」
これはよく知られてるし、感覚としてもよくわかることだけど、線と面の場合は違う。

  • 線光源は1乗に反比例し
  • 面光源は減衰しない

(線や面が無限に大きい場合)

物撮りの時は写真の端と端で明るさが変わってほしくない。だからこの減衰しないという特徴を取り入れたい。

つまり

  • フラッシュをバウンスさせる時は大きく照らす。(無限は無理なのでなるべく大きく)
  • 面光源は近くから照らす。(近いほど相対的に大きな光源になる) ※追記でほぼ否定
  • 点光源は遠くから照らす。(逆2乗のなるべく平らな区間を使う)

とすると、光のムラのない写真が撮れる。

(ちなみにどんな光源も近くから見れば面光源であり、遠くから見れば点光源。そうなると2番目と3番目の項目は矛盾してるようだが、これは近くと遠くが写真撮影のスイートスポットであり、中間のどこかに写真に一番ムラの出る「ダメスポット」があるということだと思う。頑張って計算すれば出るはず。)

もちろん最終手段は Lightroom のグラデーション補正です。

追記 頑張って計算した

上の話はサイズが無限であることが前提の話を感覚で繋げたから正確でなかった。数式にしてみた。

考えた結果、距離と明るさの関係はこう(式の導出を説明すると図も必要だし長くなる)

明るさ = ( 2/PI * arctan(a/2x) )^2    a: 面光源の幅

比率だけ見たいのでlogをとって

log( ( 2/PI * arctan(a/2x) )^2 )

このグラフ(下青)がどうやら光源から離れるほど一定で緩やかになる。
ということは面光源でも近くにスイートスポットはなくて、離せば離すほどムラがなくなるみたい…?
でもよくよく見ると左端がほんの少し丸まってる。面光源は近くから照らす事によるムラを減らす効果は厳密にはあるが、ほぼないレベル。ただ点光源と比べたら圧倒的に良い。

光源の幅が1の時のグラフ。黄色がlogの前。青がlog。 灰色がただの点光源(x^-2)のlogで、これと重なっていってるので計算式はあってそうなことが分かる。

このグラフから分かることをまとめると

  • 光源は大きければ大きいほうがいい
  • 撮影範囲は小さければ小さい方がいい
  • 光源から遠ければ遠い方がいい

作成者: show

Painter/Illustrator in Tokyo, Japan

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